ラクトフェリンの消化・吸収
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最終更新日:2014/11/15 ラクトフェリンの効果効能
ラクトフェリンは、人の体内に存在するタンパク質であり、鉄と結合したり、免疫物質を増加させたりと様々な機能のある成分になります。哺乳動物の乳に多く含まれる成分であり、母乳以外にも、鼻汁や唾液、涙などにも多く含まれています。最近ではラクトフェリンが健康や美容に効果があると言われて注目されていますが、今回はラクトフェリンの消化・吸収の作用についてお話しましょう。
【ラクトフェリンが体内に取り込まれる時】
ラクトフェリンを口から摂取した場合、まずはアミノ酸など小さなペプチドとして分解されます。ほとんどのラクトフェリンは酸によって分解されてしまうのですが、一部のラクトフェリンは消化されずにそのまま腸に移行するので、細菌を抑制する働きをしてくれるのです。ラクトフェリンは、血液中に吸収されることはありませんが、腸管の免疫系に作用することで、感染症を防いだり、炎症抑制やガン予防などにも効果があったりすると言われています。
【消化酵素で分解されたラクトフェリンの効能とは?】
食物からラクトフェリンを摂取した場合、胃の消化酵素であるペプシンで分解されます。するとラクトフェリンはペプチド単位のラクトフェリシンに変化します。このラクトフェリシンは、ラクトフェリンよりも強い抗菌性を有しており、食中毒の原因菌となるO-157などの病原性大腸菌や、胃炎や胃がんの原因ともなるピロリ菌に対しても抗菌作用を示してくれるでしょう。
【分解されたラクトフェリンにも重要な役目がある】
ラクトフェリンを摂取すると、胃酸によって分解されて意味がないと考える人がいますがそんなことはありません。ラクトフェリンを摂取して、胃で分解されてラクトフェリシンを生成すると、次にラクトフェリンと消化ペプチドを腸に移行させます。すると腸管の免疫系に作用するので、胃や腸の悪い菌を退治してくれ、有益に作用するでしょう。つまり胃できちんと消化されないと、ラクトフェリンとしての機能が不十分になってしまうこともあるのです。
【ラクトフェリンは消化酵素に対して耐性がある?】
ラクトフェリンは、消化酵素に対して耐性があるということが分かってきています。つまり、ラクトフェリンは消化酵素によって消化や分解されにくいタンパク質なのです。もちろん一部は消化酵素によって分解されアミノ酸になり、腸管から吸収されます。しかし分解されなかったラクトフェリンは、便として体外へ排出されたり、腸で抗菌作用を発揮する場合もあるでしょう。
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