ラクトフェリン研究
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最終更新日:2015/06/14 ラクトフェリンの基本
ラクトフェリンの歴史
ラクトフェリンは人間を含む哺乳動物が持っているタンパク質の一種ですが、乳や血液、涙などに存在してさまざまな感染から体を守る働きがあります。特に母乳に多く含まれていて生後間もなくの抵抗力がない赤ちゃんもこれによっていろいろな感染から守られているのです。ラクトフェリンは1939年にスウェーデンの科学者により発見されました。ラクトフェリンの特徴は体内で鉄分と結合しやすいことからラクト=乳成分、フェリン=鉄という意味になります。ラクトフェリンが発見されてから世界中でさまざまな研究が盛んにおこなわれていますが、日本でも最先端の研究が進められています。ラクトフェリンの研究が盛んな理由にはヒト由来の成分で安全性が高く評価されているためですので今後の研究にも期待できます。
世界初!ラクトフェリン入りの牛乳誕生
ラクト=乳成分ということでもわかるようにラクトフェリンは乳成分と深く関係していて森永乳業も古くからラクトフェリンの研究をおこなってきた企業です。ラクトフェリンの特徴は生乳に含まれていることで効果を発揮します。逆に言えば熱により分解されてしまうために加熱処理を必要とする乳製品には採用できませんでした。しかし森永乳業の研究開発により1977年に世界で初めてのラクトフェリン入りの牛乳を発売したのです。これは牛乳で気軽にラクトフェリンが摂取できるのでとても注目になった商品です。また1992年には同じく森永乳業がラクトフェリンが胃の中で分解された後の物質のラクトフェリシンを発見して業界をにぎわせました。ラクトフェリシンはラクトフェリンに比べて細菌の抗菌作用が数十倍~数百倍あるとされさまざまな医療業界でも話題になっています。
研究によって得られたラクトフェリンの多くの作用
このほかにも日本のさまざまな企業がラクトフェリンの研究を進めていますが、トイレタリー業界のライオンでも歯周病対策としてラクトフェリンの有効活用に成功しています。歯周病の原因は歯周病菌から出されるLPSという毒素が関係していることが判明していますが、実はラクトフェリンがLPSの活性を抑制することが2006年に発見されました。このことにより歯周病対策の歯磨き粉の開発が大きく前進したのです。また歯周病とラクトフェリンの研究を進めていくうちに歯周病菌から出されるLPSが体内の血中に入ることで脂質異常を引き起こすこともわかり、ラクトフェリンがメタボリック対策にも有効だということもわかったのです。この他にもさまざまな研究機関で健康に有益なラクトフェリンの研究が今も進められています。
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