ラクトフェリンとラクトフェリシン
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最終更新日:2015/03/14 ラクトフェリンの基本
ラクトフェリンの開発
ラクトフェリンは1939年にスウェーデンの科学者により発見されたタンパク質です。ヒトだけではなくウシなどの哺乳動物の母乳や涙、血液などに含まれているもので感染防御の作用があります。これにより人間や哺乳動物の体がウィルスなどから守られているのですが、特にヒトの母乳に多く含まれていて免疫のない赤ん坊にとって体を守るとても大切な栄養素となっています。ラクトフェリンは本来ヒト由来の成分のために安全性は高く副作用もないためにさまざまな実用が可能とされ世界各国で研究開発がされてきました。その結果感染防御以外の働きも多く発見され現代人の健康に有益な成分として注目を浴びています。
ラクトフェリンの胃での分解作用
ラクトフェリンの研究を重ねるうちにさまざまな体への作用が解明されています。特に乳成分タンパク質であるラクトフェリンの腸での作用の研究はさかんで腸内環境を整えたり、ピロリ菌や大腸菌などに対しての抗菌作用を促進したりと胃腸に有益な研究結果がでています。ラクトフェリンの特性として胃酸で溶けてしまうことが挙げられますが実はこれも研究をかさねるうちに胃酸で溶けたラクトフェリンの一部がさらに強力な抗菌作用をもった成分に変化することが解明されています。
ラクトフェリンが変化したラクトフェリシン
ラクトフェリンが胃で分解されたのちにさらに強力な成分「ラクトフェリシン」に変化するのですが、細菌や真菌への抗菌作用がラクトフェリンに比べて数十倍から数百倍も高いという結果がでています。ラクトフェリンとラクトフェリシンの違いは細菌などへのアプローチ方法になります。ラクトフェリンは細菌の増殖を抑制する働きがあり、ラクトフェリシンは細菌や真菌などの細胞膜を傷つけることで殺菌までおこなう働きがあります。
ラクトフェリンもラクトフェリシンもどちらも必要
ただし現段階ではラクトフェリシンを実用化した商品はなく、あくまでもラクトフェリシンの効能の研究結果となっています。ラクトフェリシンの説明を見るとラクトフェリンよりもラクトフェリシンの方が有能に思えてしまいますが、実はどちらも大切な成分なのです。ラクトフェリンとラクトフェリシンは胃や腸の中で共同で働いているのでどちらか一方がかけても抗菌をはじめとした腸内環境整備ができません。今後の研究ではラクトフェリシン自体が主役となる商品が発売されるかも知れませんが、今のところはラクトフェリンがサプリメントで配合されています。
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